WORKS

暮らしの中で見慣れた文様が、絵の中で出会い、いにしえの情景や物語を描きます。
その繊細で物質感豊かな絵画は、新しいひとつのオブジェにも見えます。

浮舟

源氏物語シリーズ「浮舟」油絵 変形8号
The Tale of Genji series ”A Boat upon the Waters” oil painting 258x455mm

いとはかなげなるものと、明け暮れ見出だす小さき舟に乗りたまひて、さし渡りたまふほど、遥かならむ岸にしも漕ぎ離れたらむやうに心細くおぼえて、つとつきて抱かれたるも、いとらうたしと思す。
源氏物語 帖「浮舟」

はかないあぶなっかしいものであると山荘の人が毎日ながめていた小舟へ宮は姫君をお乗せになり、船が岸を離れた時にははるかにも知らぬ世界へ伴って行かれる気のした姫君は、心細さに堅くお胸へすがっているのも可憐に宮は思召された。
与謝野晶子

白い清潔感のある桔梗が浮舟です。
二人の男が浮舟を愛し、競います。
大きな二つの雪輪文様が、男二人を象徴しています。
黒い船の形の中に、浮舟が寝ています。

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源氏物語シリーズ

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