WORKS

暮らしの中で見慣れた文様が、絵の中で出会い、いにしえの情景や物語を描きます。
その繊細で物質感豊かな絵画は、新しいひとつのオブジェにも見えます。

桐壺

源氏物語シリーズ「桐壺」油絵 変形8号
The Tale of Genji series ”The Paulownia Court” oil painting 258x455mm

かしこき御蔭をば頼みきこえながら おとしめ疵を求めたまふ人は多く わが身はか弱くものはかなきありさまにて なかなかなるもの思ひをぞしたまふ。
源氏物語 帖「桐壺」

帝の深い愛を信じながらも、悪く言う者と、何かの欠点を捜し出そうとする者ばかりの宮中に、病身な、そして無力な家を背景としている心細い更衣は、愛されれば愛されるほど苦しみがふえるふうであった。
与謝野晶子

花が源氏物語の登場人物を表現しています。夏椿が桐壷更衣です。
黒い形は桐の葉です。また、その中に潜む藤の花は、これから彼女が物語に影響を及ぼす預言となっています。

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源氏物語シリーズ

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