東屋
源氏物語シリーズ「東屋」油絵 変形6号
The Tale of Genji series ”The Eastern Cottage” oil painting 228x410mm
この御ありさま容貌を見れば、七夕ばかりにても、かやうに見たてまつり通はむは、いといみじかるべきわざかな、
と思ふに、若君抱きてうつくしみおはす。女君、短き几帳を隔てておはするを、押しやりて、ものなど聞こえたまふ御容貌ども、いときよらに似合ひたり。
源氏物語 帖 「東屋」
このお美しい風采を見れば、七夕のように年に一度だけ来る良人であっても女は幸福に思わなくてはならないなどと思っている時、宮は若君を抱いてあやしておいでになった。夫人は短い几帳を間に置いてすわっていたが、その隔ての几帳を横へ押しやって話などを宮はしておいでになるのである。またもない似合わしい美貌の御夫婦であると見えるのであった。
与謝野晶子
作品の主題は浮舟の母・中将の君から見た匂宮一家の幸福です。
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