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隠久日記

鑑賞教育

現在の作品様式に移って間もない頃、日本の伝統文化への親しみを深めるためにと京都・奈良へ短期の旅行をしました。特に竜安寺の石庭は造形的にも重要に思えて二度訪れ長い時間を過ごしました。 竜安寺は有名な観光スポットですから修学旅行の中学生も大勢訪れます。彼らのような人々を思ってか、石庭前の部屋にミニチュアを置き石...

隠久日記

文様の意味

文様には意味がある。しかし、特に伝統文様などは吉祥に関わることが多く、互いに似ていてそれほど多様な広がりはないように思える。 だからと言って決して文様の可能性が小さい分けではない。例えば、それを絵画の中に持ち込めば新たな意味を獲得する。色や大きさを変えたり他の文様と組み合わせれば表現するものは違ってくる。人...

隠久日記

裏側を描く

かつて予備校の講師は学生の石膏デッサンを見てこう言ったものだ。「裏側が描けていない。」 エッセイストの南伸坊氏にもこの経験があったらしく、一筋縄では行かない人だから、脇に石膏像の後頭部を描いたそうである。ようするに反射光を含んだ陰影法の未熟を指摘すれば良いのに、このもってまわった言い方にカチンと来たらしい。...

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