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大学入試の英文をいくつか見る機会があり、自分の頃との比較も記憶がほとんどなく出来ないのだが、書かれている内容の高さに少し驚いている。

英文の難易度を判断することは出来ないが、回答例和訳から内容は分かる。その高度なことは特に著名な大学に限ったことではない。

社会問題や科学思想、形而上学的とすら呼べるものまで多彩だ。ラジオ講座等で扱うシチュエーションとは次元が違う。

現在の大学進学率は50%を越えているから、もしかすると平均的な人の潜在的思考能力はたいへんなものかもしれない。

思考能力の問題とは違うが、こんなことがあった。若い頃、銅版画に手彩色の風景画を売っていたことがある。もともとモノクロームの発想で作ったものに街中の画廊の要望で色を着けた。

要するに、モノクロームの階調の美しさは理解されないと言うことで、高彩度の色を着けて販売したわけだ。そのA.P.版を素のままで自宅の応接間に飾っていたが、ある日、カーディーラーの営業の人がそれを見て、たいそう気に入ってくれた。

色が着いていないが良いかと聞くと、色なんかいらない、この白黒がいいと言って即金で持って帰った。コレクターや絵画ファンでもない普通の営業の若い人である。素人だからと侮ってはいけない。

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