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公演の彫刻

人物のドローイングを描いていて、何処が問題なのか分からない違和感が朧気にあった。このようなことは特別なことではないので、最近は額装してリビングに飾り暫く様子を見るのが慣わしとなっている。

そして数日後、そのドローイングの前に描きかけの別のドローイングを置いてみたら、あの違和感の原因が分かった。顔の微妙なバランスが主たるものなのだが、こう言った経験そのものは以前からあった分けで、だからこそ環境を変えて絵を見直すことは誰でもやっていることだ。実は言いたいことは別のところにある。ちょうどこのことがあった頃に、ヴィトゲンシュタインの茶色本を読んでいた。

すなわち、その中で彼が言っている考えに従えば、絵を見て何処かがおかしいと感じている経験と、後でその原因が分かって絵を見ている経験は、別の経験だと言うことである。言われてみると当たり前に思えてくるが、長く絵を描いて来て、はっきりと自覚したことはなかったのである。

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