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暮らしの中で見慣れた文様が、絵の中で出会い、いにしえの情景や物語を描きます。
その繊細で物質感豊かな絵画は、新しいひとつのオブジェにも見えます。

柏木 その二

源氏物語シリーズ「柏木 その二」油絵 M6号
The Tale of Genji series ”The Oak Tree Part2” oil painting
242x410mm

すぎすぎ見ゆる鈍色ども、黄がちなる今様色など着たまひて、まだありつかぬ御かたはらめ、かくてしもうつくしき子どもの心地して、なまめかしうをかしげなり。
源氏物語 帖 「柏木」

次々に濃くした鈍の幾枚かをお重ねになった下には黄味を含んだ淡色の単衣をお着になって、まだ尼姿になりきってはお見えにならず、美しい子供のような気がしてこれが最もよくお似合いになる姿であるとも艶に見えた。
与謝野晶子

悲劇の主人公柏木から視点を光源氏に移し、今更ながらの女三の宮への未練を菊立涌と巴草の黄色い花に託しています。

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源氏物語シリーズ

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